死体性愛ネクロフィリアと食人カニバリズムを「刺激」で終わらせない:ダーマー事件とNetflix『DAHMER』。「珍しい嗜好=危険」という短絡を避けるために、社会的に問題とされる中心は、非同意・加害・危険のほうにあります。

Netflix『DAHMER/ダーマ―:モンスター:ジェフリー・ダーマー物語』あらすじ

そして「ネクロフィリア」「カニバリズム」とは何か(定義と意味の整理)

本記事はセンシティブな題材を扱いますが、手口の詳細・残虐な描写・模倣につながる情報は扱いません。作品の概要と用語の定義に絞り、刺激ではなく理解のために整理します。


1. 『DAHMER/ダーマ―』のあらすじ

Netflixのリミテッドシリーズ『DAHMER — Monster: The Jeffrey Dahmer Story(邦題:『DAHMER/ダーマ―:モンスター:ジェフリー・ダーマー物語』)は、ジェフリー・ダーマー事件を題材にしたドラマです。一般にこの事件は、後述するネクロフィリア(死体性愛)カニバリズム(人肉食)といった言葉とともに語られることがあります。

ただし本作の公式紹介(Netflix Tudum)では、ショッキングな要素を前面に押し出すというより、被害者とそのコミュニティに焦点を当て、加害が長期にわたり止められなかった背景としての制度的な失敗、社会的偏見(systemic racism/homophobia など)に目を向ける趣旨が示されています。

物語は、犯人の内面だけを追う構成に寄りすぎず、周囲の人々の視点を織り交ぜながら進みます。公式記事では、当局へ繰り返し警告した人物(Glenda Cleveland)が「長く見過ごされてきた存在に声を与える」役割として言及され、シリーズ全体が“誰が、どのように見落とされたのか”という問いを含む作品として紹介されています。


2. ネクロフィリア(死体性愛)とは(定義)

ネクロフィリア(necrophilia/死体性愛)は、APA(米国心理学会)の辞典で、「遺体に対する性的関心、または遺体との性的接触」として定義されています。

この言葉が強い印象を持つのは、対象が「同意を表明できない存在」であるためです。したがって、解説で重要なのは刺激の強さではなく、次の点です。

  • 同意の成立しない対象に関わるという構造
  • その結果として生じる、尊厳の侵害という問題

記事として扱う場合は、定義を確認したうえで、過度に具体化しない(描写を増やしすぎない)ことが、理解と配慮の両面で有効です。


3. カニバリズム(人肉食)とは(定義)

カニバリズム(cannibalism)は、ブリタニカで 「人が人の肉を食べること」 と定義され、別名として anthropophagy も挙げられています。

この語も、映像作品やニュースで非常に強い引力を持ちます。しかし、情報として必要なのはまず定義であり、ここでも具体描写を足すほど「理解」より「刺激」に傾きやすくなります。用語を説明する際は、定義と位置づけに留めることが安全です。


4. なぜ『DAHMER』ではこの2つの言葉が出てくるのか

ジェフリー・ダーマーについて、ブリタニカは「17人の少年・若い男性を殺害した」とし、事件が強い注目を集めた要素としてカニバリズムネクロフィリアが言及されてきたこと、そして逮捕が地元警察への批判を引き起こしたことをまとめています。

つまり、これらの言葉は「怖さを演出するための単語」というより、事件が社会で語られてきた経緯の中で付随してきた要素でもあります。一方で、Netflix Tudumの紹介文が被害者の側制度的失敗に焦点を当てる趣旨を明示しているのは、強い言葉だけが独り歩きする「消費」を避け、事件をより広い文脈で捉えるための方向づけとして読むことができます。


5. 用語を知ったうえで、作品をどう受け止めるか

ネクロフィリアやカニバリズムは、定義だけでも十分に重い言葉です。だからこそ、作品視聴や作品紹介の記事で意識しておきたいのは次の点です。

  • 用語の強さに引っ張られて、事件を「異常さの見物」にしない
  • 被害者の側が置き去りにならない読み方(視点)を持つ
  • 作品が提示するテーマ(制度的失敗、見過ごし、偏見)にも目を向ける

『DAHMER』の公式記事は、まさにこの方向性――被害者とコミュニティ、見過ごしの構造――をシリーズの軸として説明しています。


6. 視聴案内

DAHMER/ダーマ―:モンスター:ジェフリー・ダーマー物語』はNetflixで配信されているリミテッドシリーズです。