オープンマリッジとは何か
〜浮気との違いを整理する〜
「オープンマリッジ」という言葉を聞くと、「結局それって浮気の言い換え?」「不倫を正当化しているだけでは?」と感じる人も少なくありません。ですが、オープンマリッジは“何でもありの自由恋愛”とは少し違います。
この記事では、定義から入り、浮気・不倫との決定的な違い、そして鍵になる「合意」の意味を整理しながら、誤解されやすいポイントまでを入門として分かりやすくまとめます。
(※特定の価値観を推奨する目的ではなく、概念整理・理解のための解説です)
オープンマリッジの定義
オープンマリッジ(Open Marriage)は、一般的に「結婚関係を継続しながら、夫婦の合意のもとで“夫婦外の恋愛・性的関係”を一定条件で認める関係形態」を指します。
重要なのは、ここでいう「オープン」が“隠さない”という点だけでなく、“ルールを作る”という点にあります。
つまりオープンマリッジは、気分や勢いで始めるというより、夫婦が話し合いを重ねて「何をOKとして、何をNGとするか」を決め、その範囲で運用する考え方です。
浮気・不倫との決定的な違いは「合意」と「透明性」
浮気・不倫が問題になりやすい理由は、単に“配偶者以外と関係を持つ”ことだけではありません。多くの場合、核心は次の2つにあります。
1) 合意がない(または、騙している)
浮気・不倫は、相手(配偶者)が知らない、または嫌だと言っているのに関係を続けることが多く、そこに裏切りや約束違反が発生します。
一方、オープンマリッジは建前としても実態としても、スタート時点で「夫婦間の合意」が前提になります。
2) 隠す構造になりやすい
浮気・不倫は、発覚を恐れて嘘が増えたり、連絡履歴の隠蔽など、関係そのものが“秘密”とセットになりがちです。秘密は罪悪感や不信感を強め、夫婦関係の修復を難しくします。
オープンマリッジは、少なくとも理念上は「秘密にしない」「ルールに沿って共有する」など、透明性を重視します(もちろん、どこまで共有するかもルール次第です)。
「合意」の意味をもう一段、正確にする
オープンマリッジの議論で最も誤解されやすいのが、この「合意」という言葉です。合意があると言っても、現実にはいくつかのパターンがあり、ここを曖昧にするとトラブルになりやすいです。
合意には“質”がある
合意には少なくとも、次の条件が揃っている必要があります。
- 自由意思:断ったら関係が壊れる、生活が立ち行かない、などの圧がない
- 情報の共有:何をするのか・何をしないのか、条件を理解している
- 撤回可能性:状況が変わったら見直せる(「一度OKしたら永遠にOK」ではない)
ここが崩れると、形式上は「合意」と言っていても、実態は片方が我慢しているだけになりやすく、後から深い不信感につながります。
誤解されやすいポイント
オープンマリッジをめぐる混乱の多くは、「言葉が同じでも、想定している中身が人によって違う」ことから起きます。入門として、特に誤解されやすい点を整理します。
1) 「オープン=何でもOK」ではない
オープンマリッジは、むしろ逆で、“自由を増やすためにルールを増やす”側面があります。
頻度、相手の条件、家族や生活への影響、避けたい行為、共有の範囲などを決めないまま始めると、ほぼ確実に認識がズレます。
2) 「嫉妬しない関係」でもない
嫉妬や不安がゼロになるとは限りません。むしろ、嫉妬が出た時に「嫉妬する私が悪い」と抑え込むと苦しくなります。
オープンマリッジで大事なのは、嫉妬を否定することではなく、嫉妬が出た時にどう扱うか(共有するのか、距離を置くのか、ルールを調整するのか)をセットで考えることです。
3) 「夫婦関係がうまくいく特効薬」ではない
オープンマリッジは、夫婦の課題を“解決してくれる魔法”ではありません。むしろ、もともとある問題(会話不足、信頼の欠如、価値観のズレ)を強く露出させることがあります。
関係の土台が不安定なまま導入すると、ダメージが大きくなる可能性もあります。
4) 外部の相手にも“誠実さ”が必要
夫婦間だけでなく、関係を持つ相手に対しても、誠実さと配慮が必要です。相手側にも生活や感情があり、誤解や期待のズレが起きることがあります。
「夫婦で合意しているから問題ない」と一方的に捉えると、別のところでトラブルが起きやすくなります。
入門者が押さえておきたい「現実的な論点」
オープンマリッジは、言葉の定義だけ理解しても、実生活では別の論点が出てきます。ここでは一般論として、よく話題になるポイントをまとめます。
- コミュニケーションの負荷:話し合い・すり合わせが増える
- 境界線の設計:OK/NGが曖昧だと揉めやすい
- メンタル面:不安や比較の感情が出ることもある
- 健康面の配慮:リスク管理や検査など現実的な対策が必要になる場合がある
- 社会的な理解:周囲に言うかどうか、言わないなら情報管理も必要
また、法律や責任の扱いは国や状況で変わり得て複雑です。現実にトラブルが心配な場合は、専門家へ相談するのが安全です。
まとめ:違いは「関係の外側」より「内側の約束」
オープンマリッジと浮気・不倫の違いは、単に「配偶者以外と関係を持つかどうか」ではなく、夫婦の間に“合意”と“ルール”があるか、そしてそれが自由意思にもとづくものかにあります。
オープンマリッジは、誰にとっても正しい形というわけではありません。ただ、言葉だけが先行して誤解されやすいテーマだからこそ、まずは「定義」「合意」「誤解ポイント」を整理しておくと、議論や情報収集がしやすくなります。














